たかの親子が気付かせてくれたこと

○東京都・RSさん(40代女性)

家の前の木に、小さなたかが巣を作りました。夫と息子たちと観察していると、見る見るうちに産卵し、ひなが2羽育っています。家族で窓からそっとのぞき、名前を付けたり、様子を報告し合ったりしていました。

ある日、ひなの1羽が下に落ちたのです。野生の鳥なので保護できず、役所に電話で相談すると、「箱に入れて巣の近くにぶら下げると、親鳥が気付いて面倒を見ます」とのこと。小さな箱に入れて、木に一番近い我が家の屋根の上に置きました。翌日、本当に親鳥が世話をしにやってきました。ほっとしたのもつかの間、今度は2羽目のひなも落ちたのです。もう巣はボロボロ。夫と2人で、1羽目のひなのいる箱に入れました。

親鳥は、毎日何度もひなに餌を運びます。雨の日は羽を広げて子供を守る姿。一生懸命子育てするのは、人も動物も同じだと感動しました。

私たちは、雨の日は上から傘を差し、暑い日は日傘で日陰を作りました。ひなの足がひもに絡まって動けなくなった時は、夫が引き上げて助けました。その優しさと器用さに、より一層「すてきな人だな」とうれしくなった私です。子供たちも何かにつけて、たかを見守り、家族の会話も増えました。

下に落ちたふんは、近所の方が掃除を手伝ってくれ、多くの存在に支えられていることにも感謝、感謝でした。その後、大きくなったひなは、2羽とも無事に巣立ちました。家族みんなで安堵(あんど)し、喜び合った忘れられない思い出です。

神の教えでつかんだ仕合せのコツ。どうぞ、ご家族にも共有してください。皆さまでほっこりしつつ、見えたコツを家族で生かしましょう。

日常で見つけた“小さな仕合せ”を、ぜひお寄せください。

しあわせ通信
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