○東京都・MNさん(40代男性)
私は、野の花や自然風景の写真を撮るのが趣味です。新型コロナの流行前は、福島県裏磐梯の写真撮影ツアーに定期的に参加していました。
今回、3回目のワクチン接種が済んだのを機に、3年ぶりにツアーに参加。ところが、3日間ともあいにくの雨予報。カメラやレンズがぬれるのを防いでの撮影は、とても労力を要します。最初は気持ちがなえそうでした。
それでも、当日、雨にぬれた新緑のみずみずしさを目にして、「雨水も生き物には欠かせない自然の恵み。雨の日ならではの写真を撮ろう」と、気持ちを切り替えて撮影に臨めました。その上、2日目の夕方には一時的に天気が回復。奇跡的に見られた美しい夕焼けを、見事写真に収めることができたのです。きっと神がプレゼントしてくださったのだと思います。
ツアーでは、感染予防のため、皆で食事を取るときも黙食が基本。他の参加者と、なかなか交流する機会がありません。そのような中、足場の悪い山道で傘と三脚を持って歩いている年配のご婦人に、「よろしければ三脚をお持ちしましょうか?」と声を掛けたり、食堂で隣に座った男性がお茶をこぼした時、拭くのを手伝ったり。自分から積極的に関わるうちに、いつの間にか仲良くなって、最後は「また会えるといいですね」と手を振り合って別れました。宿の方々のもてなしも素晴らしく、自然の美しさと人の温かさを、心に収めた掛け替えのない3日間でした。