母が元気を取り戻した日

○東京都・TTさん(50代男性)

88歳になる母は、このところ物忘れがひどく、ドアの開け閉めや自分の血圧の測り方も分からなくなりました。「きょうは何日だっけ?」と一日に何回も尋ねる姿が悲しくて、「お母さん、しっかりしてくれよ」と言ったら、すっかり元気をなくしてしまいました。

ある時、母が「介護施設に入ると、毎月何十万円もかかるらしいよ。私はそんなに払えないし、どうしたらいいの」とひと言。「そんなことを気にしていたのか」と初めて気付き、「家族がいるんだから、そんな心配しなくていいんだよ」「ずっと一緒に暮らそう」と言うと、母の表情が一気に明るくなったのです。

その後、妻と話しました。「お母さんも、忘れたくて忘れているわけではないのだから、笑顔で受け入れよう」と。それを2人の子供に伝えると、「おばあちゃん、そんなに忘れちゃうの?」とびっくりしながらも、「そうするね」と賛同してくれました。

精神世界は不思議です。みんなで、母を思って話し合った翌日から、「きょうは何日だっけ?」と言わなくなったのです。ドアも開けられるようになり、血圧も自分で測っています。こんなに元気になるなんて、家族の心が伝わったとしか思えません。

今、母は、毎日「心の歩みnote」に何か書き込んでいます。のぞいてみると、「和のある家庭」と何度も書かれていました。母の気持ちを大切に、「和のある家庭」にしていきます。

神の教えでつかんだ仕合せのコツ。どうぞ、ご家族にも共有してください。皆さまでほっこりしつつ、見えたコツを家族で生かしましょう。

日常で見つけた“小さな仕合せ”を、ぜひお寄せください。

しあわせ通信
社会で光る人