たけのこが教えてくれた先入観

佐賀県・MIさん(70代女性)

実家には真竹の竹林があります。梅雨の時期になると、天に向かってスクスク成長します。

毎年、ご縁のある方々にゆでたたけのこをお届けするのが恒例です。弟が取ってきたたけのこの皮をむき、義妹と湯がきます。手間がかかるので、手伝いに行くと弟夫婦はとても喜んでくれます。

毎年、弟は親指ほどの細い「竹の子供」までも取ってくるので、私たちは、ブツブツと文句を言いながら作業していました。人様には差し上げられないので、いつも自宅で食べています。

今年は、ごま油で炒めて、だしじょうゆに少々のみそを入れて味付けしました。「どれどれ…味見」「えーっ? おいしい!」二本目も「おいしい!」三本目、じっくりかんでみると、何とおいしいことか。何十年も持ち続けてきた「小さなたけのこはまずい」という先入観が吹き飛んだ、目からうろこの出来事でした。

「弟は、なぜ細い竹の子供まで取ってくるのだろう」考えてみれば、弟にとっては、ご先祖さまが残してくれた大切な竹林のたけのこだったのです。そういえば、弟は周りの方々との縁も分け隔てなく、とても大切にしています。自分の先入観が、弟の良さを見えにくくしていたことにも気付きました。

「不要な先入観よ、さようならー」私も、弟を見習って、一つ一つの出会いを大切にしていこうと心を新たにしました。

神の教えでつかんだ仕合せのコツ。どうぞ、ご家族にも共有してください。皆さまでほっこりしつつ、見えたコツを家族で生かしましょう。

日常で見つけた“小さな仕合せ”を、ぜひお寄せください。

しあわせ通信
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