親子の職人魂をつなぐ喜び

○神奈川県・KWさん(50代女性)

我が家は、夫と息子の三人暮らし。夫も息子も、業種違いですが、職人です。

夫は最近、晩酌しながら、仕事の愚痴をこぼすことが増えました。ある時、息子が「仕事に大変なことは付き物だ。もう愚痴は聞きたくない」と、言い出したのです。「家族のために、頑張ってくれているのよ」と取りなしても、息子は時折、一緒に食事することを避けるようになりました。

ある日の夕食、夫が「困った」と言い出しました。聞けば、「明日は急ぎの注文が入った」「帰りは何時になるか分からない」と言うのです。

私の心に、「明日は雨で休みだ」と言っていた息子の顔が思い浮かびました。夫に、「息子に手伝ってもらったらどうかな?」と提案すると、夫は声を掛けたようです。翌朝、一緒に出掛けていきました。

その日の夕方、帰ってきた二人は、晩酌しながら、話が止まりません。「おまえがいなかったら、こんなに早く終わらなかった。テキパキと丁寧な仕事ぶりで、本当に助かった」と夫。息子も、「役に立ってうれしいよ。おやじは、あんな大変な仕事をしていたんだね」と尊敬のまなざし。私も、「うんうん、すごいね。二人とも」と、気付いたら、家族みんな笑顔でした。

それ以来、息子は時々、夫の手伝いをしています。ある日のこと、休みに釣りに出掛けた息子が、「何も釣れなかったけど、おやじの好物だから…」と、イカのお刺身を買ってきました。「ありがとう。お父さん喜ぶよ」果たして、夫は大喜び。家族の会話が増え、仕合せをかみしめる毎日です。

神の教えでつかんだ仕合せのコツ。どうぞ、ご家族にも共有してください。皆さまでほっこりしつつ、見えたコツを家族で生かしましょう。

日常で見つけた“小さな仕合せ”を、ぜひお寄せください。

しあわせ通信
社会で光る人