森 智子職員

心の豊かさが広がる世界へ

9年前、北海道札幌偉光会館で業務に当たっていた頃、稚内、釧路、北見などの地方会場へ行く機会がありました。吹雪の旭川、いてつく帯広、一年の半分が雪という利尻島もよく覚えています。

短い利尻の夏は、幼い子も、若い女性も作業着になり、夜明け前から家族総出で漁を手伝います。美しい娘さんが、「家族のために顔を真っ赤にしながらうにを探し、頑張ってくれている父を尊敬しています」と語りました。そこには、豊かな世界が広がっていました。

──人の一生 短きものなり
    朝に生まれ 夕べに閉じる──
 神見るに 人生の楽しさ 豊かさ 気付けぬ者が多いのである
    ふびんなことよ
人生は 神の手の中 「我」を知って生きるなら 日々心穏やか 明るく楽しく生きられる

──人の一生 短きものなり
    朝に生まれ 夕べに閉じる──
 神見るに 人生の楽しさ 豊かさ
  気付けぬ者が多いのである
    ふびんなことよ
人生は 神の手の中
  「我」を知って生きるなら
    日々心穏やか
      明るく楽しく生きられる

『真実の光・神示 平成16年版』77ページ

神は、豊かな心が真実の仕合せにつながることをお教えくださいます。しかし、五感で生きる人間は、形に目が向きがちです。そうした中でも、北海道の大地に張り付くように漁業や農業を営み、吹雪もいとわない姿に、人の強さと清らかさを感じ、形にとらわれていた価値観がそぎ落とされていくようでした。

今、世界は新型コロナウイルスの災禍に揺れ動いています。極限の医療現場、失業、生活不安…。これまで経験したことのない感染が、身近にあるのが現実です。そんな中、人々が力を合わせ、助け合う姿があります。医療従事者を応援する行動、人と人をつなぎ、物を生かす取り組み、自分ができることで役立とうとする動きが世界中で見られます。

今は、人間が本来の生き方に戻る切り替えの時であり、乗り越えた先に得られるものは本当の豊かさではないでしょうか。だからこそ今できることを大切に、一日一日を明るく過ごしていきたいと思います。