(スイスMA/60代女性)
毎年、日本に里帰りした際に、必ず訪れる偉光郷。大好きな母と祖母が眠る場所であり、親族みんなで集える、大切な憩いの場でもあります。
心も体も癒やされたひととき
ことしは、数年ぶりに息子たちも来日がかない、89歳の父、姉家族、妹家族とみんなで偉光郷へ。常に連絡を取り合ってはいても、直接会って、同じ空気を感じながら話せる喜びは格別です。食事を楽しみ、ゆっくり温泉に漬かり…。湯上がりに父が、目元を緩ませて教えてくれました。湯処で私の長男が、背中を流してくれた、と。「驚いたし、本当にうれしかったんだよ」。何度も話してくれる父の笑顔と、それを聞いた息子の誇らしげな表情。また一つ、大切な思い出が増えました。
その後も、みんなで卓球や将棋の対戦をし、姪(めい)が奏でるピアノの音色に耳を傾けました。一度それぞれの部屋に戻ると、さすがに父は一休み。また集合した私たちは、続いてカードゲームで盛り上がりました。「楽しかったね」。そう声を掛けると、父は「お母さんも一緒だったらなあ」。しみじみとした返事には、母への愛があふれていて、胸がいっぱいになったのです。
思えば、2年前に亡くなった母に、私はどれほど支えられてきたか…。友人関係や海外留学のことで、悩んだり、迷ったりした時も、いち早く気付き、力強く後押ししてくれました。我が家に、神との縁をつないでくれたのも母です。だから、私たちは元気に仲良く過ごし、親族で偉光郷に集うひとときを持てています。みんなで縁を深めるこの姿を、どれほど喜んでくれているだろう…。そんな気持ちが込み上げました。
心豊かに過ごせる今に感謝
帰国後、送り出してくれた夫に話をすると、「良かったね」と温かく聞いてくれました。優しいまなざしに、一緒になれたことにも感謝だな…と思います。そして、いつか“その時”が来たら、私も夫と偉光郷に納玉(納骨)してもらいたい。年を重ねるほど、その思いは増す一方です。
すっかり日常となったスイスでの生活も、毎日が小さな感動にあふれています。窓から見える、朝日や夕日の輝き。静かに光る月の美しさ。お隣さんとのウオーキングで触れる、森の豊かさ。それを味わえるのも、神に心をお守りいただいているからです。こうして過ごせる“今”に、あらためて感謝を深めた今回。また次に偉光郷に伺う日を楽しみに、心を磨いてまいります。