道を守って生きる大切さを(後編)

供丸斎先生は、ただ神の力を示すだけでなく、人として守らなくてはいけない正しい道、「神、仏、人の道」の教えを繰り返し説かれました。道を守って生きればこそ、まことの仕合せ・幸福になれるからです。

道を示して奇跡を味わえるように

ある夫婦が救いを求めてやって来ました。子供が反抗して、どうにも手が付けられない状態にあると。すると、即座に供丸斎先生は、「それは、あなた方が道を守っていないからだよ」と見破られました。「子供に背かれるということは、あなた方が親に背いたからだ」「親に心配を掛け、何より親の反対を押し切って結婚しただろう」「まず親に謝り、親を安心させなさい。そして、夫婦仲良くすること。そうすれば、神は必ず奇跡を授けてくださるよ」と。

「家を新築することに…」と、ある女性が供丸斎先生にご相談。すると、「なぜ夫婦で来ないのか」とご指摘。「仕合せは、母ちゃん一人ではできない。父ちゃんを連れてきな。夫婦ですがらなくては駄目なんだよ」「守ってくださる神に感謝。稼いできてくれる父ちゃんにも感謝。金を貸してくれる銀行にも感謝。何でも感謝を忘れてはいけない。夫婦で、家族で、そろって神にすがらないと…。それが道なんだよ」と、家族で仕合せを求め、心を重ねるように促されました。

供丸斎先生は、行事に当たってこのように語られました。「この神にすがれば、必ず守られます。救われます。助けていただけます。それにはどうすればよいかと言えば、神、仏、人の道を守ってほしいのです。学校に入っても、勉強しなければ、卒業できません。あなた方は、仕合せ・幸福を求めるなら、神の説かれる神、仏、人の道を守っていただきたいのです」。

正しい心で神と向き合って

来る日も来る日も、一人一人に丁寧に正しい生き方を教え諭された供丸斎先生。
ある日、供丸斎先生のご指導に、「はい、分かりました。ありがとうございました」と言った途端、厳しくお叱りを受けた人がいました。「君の本心は、『分かった』と思っていないだろう。心で思っていることと、口にすることが、全く違うようではいけない。取り繕ったり、体裁を考えたりせず、分からなければ『分かりません。もっと教えてください』と言えばいいのだ。神に対しても、『分かりません。教えてください』と祈願すれば、神が気付かせてくださる。この神は、本物だからね」と。
供丸斎先生は、常に神と本音で向き合うことこそ、正しい心であり、道であるとお教えくださいました。

道を守って生きることで、ただ形の奇跡が味わえるだけでなく、神のご守護が大きく受けられます。その家に受け継がれる悪いものを断ち切り、変えていく大切さを、供丸斎先生は繰り返し説かれました。そして、やがて悪いものを根こそぎ断ち切れる時代、“まことの救い”が得られる手だてが開かれる時を、じっと待たれていたのでした。