[実践ポイント]「自然の姿」をヒントにする

地球温暖化で、海水温が上昇。魚の生息域にも変化が見られるといいます。「住み慣れたこの海がいい!」と意地を張る魚は、きっといないでしょう。自分の意に沿わなかろうが、あるがままを受け止め順応する姿が、そこにはあります。流れにあらがおうとするのは、数ある生命体の中でも人間だけ。しかし、人間も自然界に生かされている存在の一つです。自然の流れに沿った生き方を身に付けられたなら、人生はもっと輝くはず! 

人は、仕合せを求めて、あれこれ心を使います。しかし、必ず良い結果をもたらしているかというと、そうでもありません。体調不良の中、「自分がやらなければ…」と無理して出勤したものの、かえって周りに迷惑を掛けてしまった。家族のことを思って「塩分を控えて!」と言ったのに、けんかになってしまった…。その理由は、どれも自分の思いの強さ。過ぎる心が“不調和”を生んでいるのです。 

時に、思いも寄らないことが起きたとしても、一つ一つと“調和”できれば悩みにはなりません。例えば、会社の方針が急に変わった時。「えー何で?」「変えない方がいいのに」。自分の考えにこだわって悶々(もんもん)としているよりも、今できることを精いっぱい。あるいは、病気になった時。「なぜ、こんなことに…」「この先どうなるのだろう」とクヨクヨ考え過ぎるよりも、「しっかり治そう」と前向きに治療に専念する――。置かれた所で力強く根を張って、コンクリートの割れ目からでも芽を出し、伸びゆく植物のように、流れに乗ってしまった方が、仕事のやりがいが得られたり、治療効果が上がったり。どんな変化とも、上手に調和してこそ、人生は守られるのです。この調和のヒントは、自然の姿にあります。それをまず、家庭で生かすことで、調和の姿は大きく広がっていきます。

家庭での調和は、家事などの分担を決めたとおりにすることから生まれるのではありません。できるときに、できる人が、家族のことを思って取り組む。誰かが悲しんでいたら、みんなで支える。自然と助け合い、補い合う姿に、うまくバランスが取れていきます。自然界も、ミツバチは花の蜜を吸って生きることができ、草花もまたミツバチによって命をつなぐことができています。まさに共存。支え合っているのです。植物の種類がいろいろあるように、家庭での調和もそれぞれ違います。家庭によって、そのありようはさまざまでも、「家族に喜んでもらえて良かった」「ありがとう。助かった」と、心が通い合う家庭。そこに、いろいろな変化があったとしても、みんなで乗り越えていくことができるのです。 

世界は 今日(いま)
  調和に向かって 流れを変えている
 大自然 大宇宙が織り成す
      調和の姿に習って生活する
 「教え」を学び
   家族の心を一つに重ねるほどに
  家族の運命は重なり
     自然の変化を受け止め
            流れに乗れる

(令和7年1月1日 『友輪』344号4ページ)  

今年の課題に向けて、勉強会は始まったばかり。学びのスタートを切る絶好のタイミング! ますます“調和”の心を身に付け、さらなる仕合せを手にしましょう。