「家庭」の価値とは? 

ある混雑したエレベーターでの出来事です。ベビーカーを押す女性が降りようと、懸命に声を張り上げました。「どいてっ! 邪魔!」。空気が凍り、その場の誰もが複雑な表情に。「お子さんの将来、大丈夫かしら」。口に出す人こそいなかったものの、案じる雰囲気が漂っていたといいます。 

一方、快挙を成し遂げたスポーツ選手や科学者たちの記者会見。「家族で勝ち取ったメダルです」「伴侶が支えてくれたから」。涙ながらに語る姿に納得し、共感した経験はありませんか? 「親の顔が見たい」「あの親にしてこの子あり!」。日常の端々で感じる、家庭環境が持つ力。しかし、あまりに身近であるゆえ、わざわざ見詰めることが少ないのも現実。今回は、そんな家庭が持つ力について、迫っていきます! 

家族との触れ合いに豊かな心が 

「家庭」は、人格を形成するための、基本となる環境、いわば「心の苗床」です。そこで肥やしとなるのは、よーく言い聞かせることでも、たくさんの習い事をさせることでもありません。私たちは、「家族」との触れ合いを通して、さまざまなことを学びます。両親をはじめ、兄弟、祖父母に愛されて、「自分は必要な存在である」と知る。本気で叱られて、「人として、やってはいけないこと」を知る。外で傷ついても、「家には、必ず味方になってくれる人がいる」と知る。そうやって、善悪を知り、愛される安心感を知る中で、自分自身も人を信頼し、思いやる、豊かな心を身に付けていくのです。 

冒頭のベビーカーを押していた女性。実は、新米ママで、不慣れな外出の最中でした。もし家で、先ほどの出来事を話せたら…? 「大変だったね。でも、あなたは焦ると、言葉が強くなるから気を付けて」。家族との会話にハッとするはず。そのように、人格は、家の中で自然と育まれてゆくものです。この人格形成、すなわち“心の成長”に限界はありません。どこまでも、際限なく育むことができます。それゆえ、心は、人生を生き抜く上での“最大の資本”であると、神は教えてくださいます。 

生きる力を引き出す環境

では、もし家族と心がつながらず、気持ちがバラバラだったら? 残念ながら、「どうして、こんなことに…」と悔いを残すリスクが高まってしまいます。なぜ、高額収入をうたうバイトに応募したのか。なぜ、貯金を暗号資産につぎ込んだのか。そこには、「親は頼れない」「どうせ妻は反対する」といった不安定な心の動きがあるものです。一方、「家族と気持ちが重なっている」感覚が強いほど、安心感が広がり、心が安定します。そこに、生命力であり、役立つ力でもある「運命」が引き出され、後悔する事態を招かない、明るい人生を歩んでいけます。家族は“運命共同体”なのです。 

脳の手術の後遺症で、左足が全く動かなくなってしまった方がいました。家族は、この女性のために、毎晩1時間のマッサージを続けたそうです。けんかをした日も、クタクタな日も休まずに…。夫や娘の愛に触れたその人は、自身の意地っ張りな性格を省みて、家族を頼り、心から感謝を伝えることが増えました。みんなを思うとリハビリも一層頑張れて、少しずつ、少しずつ回復。ついには、転ばず歩けるまでになり、医師が驚いたといいます。 

“特別な関わり”と気付いて

「家族」は、深い縁があって出会えた特別な間柄。しかも、この関係で、このメンバーで、共に過ごせるのは今生限り。私たちは「家族」と、掛け替えのない時間を共有しているのです。そう思った時、「家族」と築く「家庭」の価値が、これまで以上に見えてきませんか。 

 神  示
家庭は
  人間(ひと)が生まれ 育つ
             大切な環境
 運命実体(こころ)を磨き 高める
         人生(いのち)の源

(令和5年1月23日) 

家族と一緒に過ごすからこそ、心を磨き、高められ、みんなでもっと仕合せを手にできるのです。では、それを実現するには、どうすればいいのでしょうか。ポイントは、立場に応じた「関わり方」にあります。詳しくは、次回をお楽しみに!