小川雅子宮事(おがわ・まさこ)

尽くした思いが人の心に刻まれて

先日、土地の清めの儀に出向きました。数カ月前、隣家からのもらい火で全焼し、家を新築するための清めでした。高齢の父親と娘さんで生活しています。二人は「思い出のある物は全部なくなりましたが、命あることへの感謝と、得たものの大きさを感じています」と明るく語り、心は前向きでした。

「得たもの」それは、多くの人の温かい支えと、強い心のつながりです。火災の直後から、近隣の励ましはもちろん、後始末を懸命にしてくれた皆さん、住まいまで貸してくれたり、建て替えに親身になってくれたりした友人、業者さんなど、さまざまな人が支えてくれました。それほど多くの方々が応援したくなるご家族なのです。高齢になっても、「頼むから仕事に来てくれ」と社長に言われる真面目な父親。「全てに感謝しかありません」と思いを語る娘さんは、いつも自然と人の輪の中心にいるようです。

真向かいに住む方は、儀式前に、生い茂った雑草を抜いてくれ、当日は儀式を行う伝導師の着替え場所まで貸してくれたのです。その方が、「ここに戻ってきてくれることが、本当にうれしい」「ここに住んで20年以上、亡くなった奥さんには何かと助けられ、親切にしてもらいました。この家族は身内以上です」と、手放しで褒めたたえていました。

人のために心を尽くしたことは、必ず相手の心に深く刻まれます。その思いは、後々までも縁をつなぎ、人と人の世の中、心と心の世界を明るいものにしてくれます。感染症の広がりで、人との距離を取らなければならなくても、心と心の距離が離れることはないでしょう。人と人のつながりを大切にして生きることがいかに重要かを、あらためて感じたひとときでした。

「教え」を学び 我が心に生かしてごらん
 日々過ぎる 「生きる」時間が いかに尊く いとおしいものか 見えてくる
 心の無駄はならぬ
──人に愛をかけ 我が存在をもって 縁ある人に奉仕する──
 ここに 神の手の中 皆の人生は守られて 「生きがい」喜び多いものとなる

「教え」を学び
    我が心に生かしてごらん
 日々過ぎる 「生きる」時間が
    いかに尊く いとおしいものか
      見えてくる
 心の無駄はならぬ
──人に愛をかけ 我が存在をもって
    縁ある人に奉仕する──
 ここに 神の手の中
    皆の人生は守られて
      「生きがい」喜び
        多いものとなる

『真実の光・神示 平成26年版』82ページ