大木郁保道事

愛と信頼と期待を力に

高校を受験したある青年が、合格発表の日、何度見ても、自分の名前がありません。重い気持ちで家に電話すると、「早く、帰ってきなさいね」と母親。帰宅すると、家族がそろい、大好きなケーキとごちそうが用意してありました。泣きながら、「どうして? 落ちたんだよ」と言うと、「つらいね。でも、ものすごく頑張ってきたことは、みんな知ってるよ。一生懸命やったことへのプレゼントだよ」と。この日のことは、忘れられない思い出になりました。

「家族の愛に応えよう、自分を思ってくれる家族を大切にしよう」自分が大切にされている実感が、家族との強いつながりとなり、その思いに応えようと、心が前に歩みだしました。第一志望校ではなかったけれど、とても楽しく高校生活を過ごせたのです。

感染症と対峙する昨今、「人と人とのつながり」や「絆」という言葉をよく耳にします。家族はもちろん、多くの人とのつながりを深めるために欠かせないものが、「愛と信頼と期待」です。今こそ、各人が愛と信頼と期待で、真の出会いから真の絆を築いていく時と思います。

愛と信頼と期待で
    互いに思いを語り合う 家庭をつくる努力が必要
 人間は 「真理」に悟りを得たとき
    自然と家族を愛し 感謝の思いを深めるもの
 「真理」が家族の心を一つに重ね
    「真実の愛」を身に付け 生きる人を育む

愛と信頼と期待で
    互いに思いを語り合う
      家庭をつくる努力が必要
 人間は 「真理」に悟りを得たとき
    自然と家族を愛し
      感謝の思いを深めるもの
 「真理」が家族の心を一つに重ね
    「真実の愛」を身に付け
      生きる人を育む

令和2年4月1日(『友輪 329号』26ページ